火曜サスペンスや土曜ワイド劇場などでよくある、大金持ちの財産を巡って繰り広げられる『相続争い』から発展する殺人事件。
遺産を巡って子や親族が争いを起こし、不安を抱いた親族の一人がドラマの主人公(最近は素人探偵ものが多いですね)に相談、そしてあの手この手で真相をあばきながら、最終的に海岸などの断崖絶壁で「真犯人はあなたですね!」と追いやる、あれです。
なんといっても、アイツが怪しい!と犯人探しを楽しみつつも、当たり前なのかもしれませんが、ドラマの中では、遺産を引継ぐ人たちにふりかかる「相続税」や「贈与税」についてふれてくるものは、未だ見たことがありません。
そこで、先日見たドラマで気になる事件がありました。
タンス預金をしていたおじいちゃん。
おじいちゃんは、「会社員の息子」と「収入ゼロなのにブランド好きの嫁」と同居中。
残念ながら、悪い人の手に殺められてしまうのですが、犯人はさておき、気になるのは
その後のタンス預金の行方と税金です。
相続とは、
「人が亡くなったときに、その人の配偶者や子などが遺産を引継ぐこと。」
また、税金はあげた人の生死で変わります。
つまり、あげた人が生きていれば「贈与税」ですし、あげた人が亡くなっていれば「相続税」となるわけです。
今回はおじいちゃんが亡くなったので「相続税」ですね。
では、このタンス預金。
おじいちゃんは亡くなっているので、息子が税務署へ申告しない限りバレることはないのでは?お金はまるごとそのまま息子夫婦の元へ?
いーえ、タンス預金もちゃんと税金の対象となるようです。
税務署は毎年の確定申告の資料や所有権移転登記、その他の資料で死亡者の財産額を推計して、相続税の申告書を相続人あてに送付します。
ただ、相続税というものは、相続財産総額で
非課税枠が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ありますので、
相続財産自体が少額であれば、あまり気にする必要はなく、財産分割協議書に、誰々が相続しましたよ。と書けば済みます。
では、どうやって税務署はお金があることを知るのでしょうか。
先程も申し上げましたように、金額が少額であればともかく、高額だと「すべて現金で取引」というわけにはいかないので、おそらく銀行などの機関が絡んできます。
そこで、
1、個人の収入のうち現金として引き出されたものの総額 と、
2、 現金で購入したと思われるものの総額
つまり、このドラマで例えるならば、
1、おじいちゃん名義の口座から引き出されたもの総額+タンス預金総額 と、
2、お嫁さんが着ているブランドの服や宝石類の総額
これらを比較して、そこで大きな食い違いが生じれば、
税務署が「そのお金はどこから?」と突っ込んでいくそうです。
お嫁さん自身の預金について調べられることもあるようですが、まず、お嫁さん自身の過去に、そのような高額な収入が存在しなければならないので、過去の高額納税者を調べて、その中にエントリーされていなければすぐに「おかしい」と思われます。
基本的には、上記のようなつじつま合わせをしていくことで、
疑問が浮かび上がってくるわけですね。
ある夫婦に子供がうまれ、子が結婚をして、またそこに新しい家庭うまれ・・と、
本来、幸せのご縁が広がるはずの「結婚」なのに、このドラマ上では考えたくもない出来事が待っておりました。
相続税や贈与税を払う身分になってみたいものですが、私は今が一番幸せなのかもしれません。因みにこのドラマでは、おじいちゃんの息子のお嫁さんが脱税で逮捕されました。