本レポートは、2021年4月に内容を更新しています。
皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?
土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記の専門家です。今回も、建物登記のお話しをしたいと思います。
よくある質問が、法務局に行って建物の登記簿をとろうとしたら、法務局の職員から「記載されているのは、住所ですか?地番ですか?」と聞かれたが、どういう意味でしょうかというものです。
まず、地番は法務局(登記官)が定めるのに対し、住居表示番号(住所)は市町村が定めます。もともと住所というものは、登記簿の地番を利用していましたが、土地の地番が、順序よく並んでいない事や、同一の地番に複数の建物が存在したりなど、特に市街地において混乱を招いておりました。そこで住居表示に関する法律(昭和37年5月10日法律第119号)で、人口集中地区を中心に登記簿の地番とは違う番号を付けることとなりました。ちなみに、現在でも登記簿の地番と住所が一致している地域も多数あります。
■建物の所在地番・・・登記簿に記載されている番号、所謂土地の権利証はこの番号を使っています。「○○市○○区○○丁目23番地」のように表します。
■住居表示・・・つまり一般的な住所であり、行政区画内の町または字を道路や鉄道、河川、水路等で区画した地域内の建物を街区符号と住居番号で街区の中で順序よく表すもので、「○○市○○区○○丁目○番○号」のように表します。地番との関連性は、ありません。
また、建物がない土地には番号はつきません。
地番は土地の所在とともに、その土地を特定するために一筆ごとに土地につけられた番号ですが、分筆登記が行われる場合、分筆登記が行われた順番に地番が付されるため、街区の中での順番がバラバラになります。それが、混乱を招く原因です。
(例)
①1番を3筆に分筆
1-1 | 1-2 | 1-3 |
②その後、1番1を2筆に分筆
1-1 | 1-4 | 1-2 | 1-3 |
このように分筆の順番によってきれいに並ばなくなります。
土地建物の登記簿や関係書類など、一般には非常になじみにくいものとなっております。土地の筆数が多くて自分の土地が分かりにくいというお声もよくお聞きします。そんな場合は、例えば10筆の土地を1筆の土地にする土地合筆登記という手段もあります。また、これは被相続人名義のまま相続人全員から行えます。気軽に土地家屋調査士にご相談頂ければと思います。