皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?
土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記の専門家です。
「昔測量したのに法務局に図面がないって何故?」というご質問は普段から多く受けます。
測量と言えば一般の方がイメージされるのは境界が確定された「確定測量図」または「実測図」と思います。
確定測量図(実測図)とは、通常隣接地所有者と立ち会い、境界を確認して「境界確認書」に署名押印を頂いた上で作成されている図面をいいます。
我々土地家屋調査士は、土地の売買の時などに境界を明示する為に、土地所有者様からご依頼を受け上記の作業を行い、確定測量図(実測図)を作成します。ただ、これだけでは法務局に地積測量図は備え付けられません。
法務局に図面を提出する場合は、地積を正しく更正する「地積更正登記」や土地を2筆以上に分割する「分筆登記」等を行う時です。
よって確定測量図(実測図)を作成しただけでは法務局に地積測量図は備え付けられないのです。
地積更正登記も分筆登記も義務ではないので、必要がある場合のみ行うことが多いですから、過去に測量をしているのに、法務局に図面(地積測量図)が存在していないことが起きます。
(その図面は、その際に立会を行った道路管理者等の官公署が事績として保存してあるケースが多いです。)
また、昭和30年代後半の不動産登記法改正前に分筆、地積更正登記された土地についても当時地積測量図の添付義務がなかった為、その場合も法務局に図面(地積測量図)が存在していません。
■地積測量図(分筆登記や地積更正登記等を行う際に法務局に提出される図面です)
近い将来、相続財産の売却などをお考えであれば、お近くの土地家屋調査士に早めにご相談されることをお勧めします。