皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記の専門家です。
前回の続きとなります。隣接地が所在不明の為、困っている方が最近増えています。また、少子高齢化も伴い社会問題となってきています。
●土地を売却するために境界の確認をしたいが、隣接所有者が所在不明で確認が出来ずに困っている。
●土地を相続したので、兄弟で土地を分筆して分け合おうとしているが、境界の立会が出来ないため分筆登記が出来ずに困っている。
●隣が空き家になっていて、草刈りもされず放置状態になっていて困っている。
●自宅の前の道路部分が所有者所在不明の個人名義になっていて、自宅の土地が公道に面しておらず再建築が出来ない状態になっていて困っている。
など、様々です。
このような場合、隣接者を探す手がかりは、まずは登記簿(登記事項)ですが、隣接者が引っ越ししていても登記簿の住所の変更登記が行われていない為分からない、登記名義人が亡くなっているが相続登記が行われていないなど、登記簿だけでは隣接者もしくは関係者にたどり着けません。方法としては、
・土地だけではなく建物の登記も調べてみる
・共同担保目録があれば、調べてみる
・古い電話帳で電話番号を調べてみる
・お隣の住所地に手紙を送ってみる(転送がかかっている場合がある)
・ご近所や町内会長、自治会長などに聞き込みをする
・市町村によりますが、条例で迷惑な隣接地(倒壊寸前、雑草、ゴミ等)がある場合、
行政から連絡を入れてもらえる場合があるので、行政に相談する
などの方法をとってみてそれでも見つからないようでしたら、境界確定や分筆登記の場合は土地家屋調査士に依頼すれば更なる調査を行います。それでも見つからないようでしたら
・法務局の筆界特定制度を利用する
・弁護士さんに依頼し不在者財産管理人を選任する
などの方法を検討してみてはいかがでしょうか。
近い将来相続財産の売却、分筆などをお考えであればお近くの土地家屋調査士に早めにご相談されることをお勧めします。