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登記を長期間放置した休眠会社等の職権解散について

2018.12.01

 会社法の規定により、株式会社の取締役の任期は原則として2年、最長でも10年とされており、取締役の交代や再選があった場合は、その日から2週間以内に登記を申請する必要があるため、少なくとも10年に一度は、取締役の変更登記をする必要があります。

 一般社団法人および一般財団法人については、理事の任期は2年ですので、同様に少なくとも2年に一度は理事の変更登記がされるはずです。

また、取締役または理事の変更以外の変更(本店や商号の変更)についても、その登記事項に変更があった場合には、その旨の変更登記をすることとされています。

 これらの登記申請を長期間放置している株式会社等は、既に事業を廃止して実態がない可能性が高いことから、このような状態を放置しておくと、登記制度に対する信頼が損なわれるおそれがあるため、12年以上登記がされていない株式会社および5年以上登記がされていない一般社団法人および一般財団法人に対して、平成30年10月11日に法務大臣による公告と管轄法務局からの通知書の発送が行われました。

 対象となる株式会社等は、現在も継続して事業を行っている場合には、平成30年12月11日までに、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をするか、遅延していた変更登記を申請する必要があります。

 「まだ事業を廃止していない」旨の届出等がされない場合は、平成30年12月12日をもって解散したものとみなされ、法務局の職権により解散の登記等の整理作業が進んでいくことになります。法務局からの通知書が、あて所不明等の理由によって届かない場合でも、「まだ事業を廃止していない」旨の届出の提出がないと解散の登記が入れられてしまいます。

 もし、登記を長期間放置したままで不安に思われる場合は、早めに登記事項証明書を確認のうえ、お近くの法務局または司法書士にご相談することをお勧め致します。

なお、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をした場合や、遅延していた役員変更の登記申請を行った場合であっても、登記手続きを怠っていたことについて、過料(100万円以下)に処せられることがあります。

 

筆者紹介

酒井 謙次
酒井司法書士事務所 所長

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